~「中沢クロテッド」:1994年発売、「クレームラフィネ」:1991年発売、「レ・リボ」:2011年発売~
NAKAZAWAが当初から持ち続けてきている精神に“世界の乳製品を日本に紹介し、豊かな食文化を推し進めよう”というものがあります。海外には日本では知られていなくても日本人の口に合いそうな美味しい乳製品はまだまだたくさんあるのですが、乳製品を輸入する際には衛生面の厳しさはもちろんのこと、かかる関税が非常に高く、販売するには現実的でない価格に跳ね上がってしまうのが現状です。そんな中、海外で料理・製菓の勉強を積んできたシェフ達からの“現地で習得した本場の味を日本で再現したい”と思っても材料が揃わずなかなか難しい、という声を中沢社員は目の当たりにしてきました。
それならば国産品で再現しよう!ということで生まれた代表商品がこの3つの製品です。
クロテッドクリームはイギリスのデボンシャー地方に伝わる、アフタヌーンティーには欠かせないクリーム。これを中沢独自の技術と製法で再現したのが「中沢クロテッド」。乳脂肪分63%で独特な食感とミルキー感満点で、スコーンとは相性抜群。ヨーロッパの洋菓子・食文化を伝えるにはなくてはならない乳製品です。
「クレームラフィネ」はフランスでは定番の発酵クリームを日本で再現したもの。開発の際、プロトタイプとなる発酵クリームを求めて社員がフランスに調査に出かけましたが、なかなか理想のものに巡り会えず、地方をあちこち廻るはめに。ついに「ノルマンディー地方に伝統的な発酵クリームをつくるメーカーがあるらしい」という情報を聞きつけて行ってみると、何とそのメーカーは1週間後に廃業してしまうという話。あと1週間遅かったらこのクリームの味は再現できなかったかもしれません。NAKAZAWAはそのメーカーの菌を日本に持ち帰り培養し、現在はその菌を殖やし続けることで作られているという、なんともドラマチックなストーリーを持つ商品、「クレームラフィネ」。酸味はサワークリームに比べてマイルドで、料理・製菓に品の良い風味を与えるには最適です。
「レ・リボ」は、社員がヨーロッパの乳製品の現地調査に行った際、ブルターニュ地方に古くから伝わる発酵したバターミルク(=レ・リボ)を発見したことに端を発します。ただし、日本では原料となるバターミルクが安定的に入手できないため、入手の目処が立つまで企画を温め続けていました。同時に多くのシェフをはじめ、海外経験の長い方からなどからも『日本ではバターミルクが手に入らない』とご要望を頂くようになり、そのうちに原料のバターミルクも安定的に入手できるようになってきたことから開発に着手。独特の風味を出すための乳酸菌の選定、独自の製法により、ブルターニュ出身の技術者からも高い評価を受けるほどの製品が完成しました。レ・リボはフランスでは昔から子供に習慣的にそのまま飲ませるほど、とても栄養価の高い乳製品です。その他、ガレットやアイスクリーム、料理のソースにも最適。パンケーキやパン生地に加えるとしっとりふんわりと仕上がり、日本でも発売以降、これを心待ちにしていたシェフによってパンケーキやアイスクリームなどに使われています。
これらの世界の乳製品はどれもNAKAZAWAが日本では初めて製品化しています。
このように乳製品に対してパイオニア的な立場をとり続ける姿勢を私たちは『NAKAZAWAの使命』と考えており、これからも「世界の乳製品の窓から」をテーマに研究開発を進めていく予定としています。