Q

生クリームはどうしてふわふわに泡立つのですか?

A.
生クリームってはじめは液体なのに、ホイップするとだんだんふわふわになっていくのって、不思議ではないですか? それは、生クリームの脂肪同士がくっつきあうことによって引き起こされます。といっても、なんだかアバウト過ぎてわかりにくいですね。

ここからは少し科学的な話になりますが、その仕組みについてもう少し詳しくみてみましょう。

生クリームは「水中油滴型」という構造を持ち、水分の中に乳脂肪が特殊な膜に包まれた非常に細かい粒子(脂肪球)となって分散しています(図)。脂肪球の大きさは、およそ0.1μ~15μ。顕微鏡レベルの、小さな世界の話です。水と油は本来、反発しあうものですが、脂肪球を包んでいる膜に含まれる特殊なリン脂質やたんぱく質が水分と脂肪分をうまくくっつけて、安定した「乳化状態」をつくりだしています。また、ビタミンや乳糖といったそのほかの成分も、水分の中に分散しています。

生クリームを泡立てた場合、衝撃によって脂肪球の膜が壊れます。壊れた脂肪球から流れ出る脂肪が接着剤の役割をして脂肪球同士がくっつき、空気を抱きこみます。さらに泡立てていくと脂肪球同士が網目構造をつくり、空気をしっかりと支えて安定します。こうしてクリームはホイップされて、ふわふわの状態になります。